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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 自分がどういう状況にあるのか、理解できないままだった。

「ふふっ……ほら、抵抗するならしてごらん。いいのかい、このままだと
裸にされちゃうよ」

 只、私の上で蠢く獣が、その興奮を高める度に、自分が窮地に追い込まれていくことだけは、理解するしかなかったのだろう。

「もう、やめてっ!」

「ハハハ、やったなぁ――じゃあ、これはお返しだ!」

 ビタン!

 頬を掠めた程度の抵抗をすると、上から平手打ちが降ってきた。重たい衝撃を受け、目の前がチカチカと光った。その感覚を実感した時、私は全身の力が抜けていくのを、どうすることもできなかった。

「う、う……」

「ああっ、ごめんよ。やっぱり少し、大人しくしてた方がいいかもね」

 無抵抗となった私の体から、制服の上、そしてスカートがはぎ取られていった。

 そうされながら私は、窓から顔を出す、まん丸な月を見上げた。

「……」

 どこかに転がり落ちていくのが、わかる。真っ暗な場所だ。

 月は今夜も綺麗なはずで、ずっと高いところにあるのに、今は夜空に比べても真っ暗な深淵のよう。私を呑み込む、深くて暗い夜空に穿たれた穴だと思った。

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