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因果応報
第8章 暗転
他のテーブルに呼ばれた翔くんは、

「雅美さん、ごめんね。
すぐ戻るから待ってて?」と言って手をギュッと握って微笑むと、
別の席に行ってしまう。


バーキンを持った派手な化粧のオバサンの席について、
大声ではしゃぐそのオバサンはシャンパンをオーダーしてるようだった。


いつかのオジサンホストが、
代わりに席につくと、
横目で翔くんの方を見てから歌うように呟いた。


「板についてきたわよね」


アタシは可笑しくなって笑ってしまう。


そうだった。

翔くんは「仕事」で、
アタシにも優しくしてくれてただけ。

売り上げに貢献してくれるオンナの方が良い。

それだけ。



アタシも、
松本杏奈への嫉妬や対抗心で、
若いオトコとイチャイチャしたかっただけ。



友達が約束の時間に遅れてようやく来た。

友達のお気に入りのコも席に来て、
他愛のない話をして飲んでいたら、
友達のお気に入りホストがこんなことを言った。


「翔もそろそろ、ここ、辞めるかもな。
ほら、一緒に住んでるキャバ嬢がヤキモチ焼いてうるさいって言ってたし。
結構稼いだから地元に帰って二人で店出すって言ってた」


「えっ?
大学は?」


「えっ?
大学?
ヤツはこの仕事、一本だったよ。
大学なんて、行ってなかったんじゃないかな?
専門学校には行ってたけど、
続かなくて辞めたって聴いたし」



そっか。
授業があるから帰るとかも嘘で、
あのオンナの所に帰ってたんだ。


アタシはもう、どうでも良くなって、
追加のワインをオーダーして呑みまくって、
どうやって帰ったのかも覚えてないほどだった。
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