パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第4章 ＳｉｄｅⅣ（沙絢）～雪の女王～

　私のことなんか気にしないで、もっと早くに再婚していれば、パパは新しい家族を作って幸せになれたかもしれないのに。
　最期は元気だった頃の沙絢自慢のイケメンぶりもすっかりやつれ、逞しかった身体も別人のように痩せ衰えてしまった。それでも、生きてくれていれば良かった。父がいれば、沙絢は独りぼっちじゃない。
「私が生まれてなかったら、パパにはもっと別の人生があったかもしれないのに」
　涙声で言ったその時、光樹が強い口調で言った。