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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~
「あ」
沙絢は知らず腰を浮かせた。
「ごめんね。私は帰るから」
早口で言い、逃げるようにその場を立ち去った。狭い三和土に置いてあった靴をはくときは、慌てていたので、またも転ぶところだった。―それほどに動転していた。
「待てよ!」
沙絢以上に光樹の狼狽えた声が追いかけてきたが、この場にいられるはずもない。
よりにもよって、好きな男の彼女が訪ねてきた場にのこのこと居合わせるなんて。