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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

大抵の場合、オレオレ詐欺で誰かを騙す度に電話番号は変える。面倒なので、発信者非通知でかけることも多い。時には電話会社を変えることもあった。だが、組織から抜けた光樹にはもうその必要はない。もちろん、沙絢がそんなこみ入った事情を知る由もないが。
「昨日のお兄さん?」
「うん」
男が頷き、再度問うてきた。
「お前が今、ここで馬鹿な真似をしないというのなら、この手を放してやれるが」
「昨日のお兄さん?」
「うん」
男が頷き、再度問うてきた。
「お前が今、ここで馬鹿な真似をしないというのなら、この手を放してやれるが」

