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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~
もちろん、これは沙絢の勘のようなものだ。
今、彼女と男の間の距離はほんの一メートルくらい。沙絢はふふっと笑い、柵にもたれかかっている男の側まで歩いていった。
「お兄さんがさっき、言ってたよね。これまでの人生でお節介な人に出逢いたかったって。私も同じだよ」
「―」
男は何も言わない。続きを促すように、ただ黙っている。沙絢は眼下にひろがる夜景を見つめながら続けた。