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Autamoon(秋月夜)
第9章 料理の旨い男
 ③

 決して嫌いなタイプでは無い…

「ええ、頂こうかしら…」

 そしてわたしはご馳走になる、そして、それはつまりは…


「もしかしたらシェフさん?なのかしら…」
 さっきの話しでは『俺もそうだ…』と言っているのが聞こえてきたから…

「あ、はい、フレンチレストランを3軒程…」
 と、男は得意気に言ってきた。

 そして…
「明日は、このホテルで最新トレンド料理素材の講習会があって、前泊してるんです…」

「そうなんですか…」

「はい…」
 そう男は言いながら、わたしを値踏みする様に一瞥してきた。

 いやらしい目…

 実はわたしは、そんな男のいやらしい目が大好物なのだ…
 まずはその目で、そのいやらしい目で犯される様に見られると濡れて、疼いてしまうのである。

「なんか…料理に自信があると…」
 わたしは我慢出来ずに、自分から呼び水を掛けてしまう。

「あ、う、うん…」

「アレンジが得意だって…」

「うん…」

「あら、素敵、愉しみだわ…」

 わたしは思わず先走った囁きをしてしまう…


「………」
 すると、男は黙って頷き、目を輝かせ、ゴクリと喉を鳴らす。

 そしてわたしはコースターの裏に部屋の番号を書き…
「30分後ね…」
 と囁き、バーを出る。

 もう、我慢できなかった…

 部屋に戻り、急ぎシャワーを浴びる…




 ピンポーン…

 30分後ちょうど、呼び鈴が鳴った。

 どんなアレンジをしてくれるのだろう…

 楽しみで、愉しみで堪らない…




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