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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 そして僕はその日から一週間…

 夏休みだからと、朝、昼、夕方と一日三回、いや、暇があれば三回以上、葵さんのお屋敷に通い、インターホンを押し…

 中庭を…

 ガレージをチェックするのだが…

 いつ行っても不在であった…

 誰も居ないのだ。


 あれから一週間…

 全く何の手掛かりすらも無く…

 胸騒ぎは絶望感へと変わり…

 そして葵さんという存在感の大きな喪失感に陥ってしまい…

 勉強も…

 いや、日常生活も、何もかもが手に付かず…

 集中できずに毎日を送っていたんだ。

 とにかく全く分からないんだ…

 何が起きたのか?…

 何が起きているのか?…

 ただ分かっている事は…

 いつ行っても葵さんのお屋敷は誰も居ない…

 住んでいる気配すらない…

 無人であるという事だけだった。

 あれほど仲良くしていて…

 いや、愛し合っていて…
 
 ううん、愛し合っているのに…

 何も分からない…

 まるで狐につままれたみたい…

 いや違う…

 神隠しみたいに葵さん一家全員が姿を消してしまったのだ…

 だが、いつ様子を見に行っても警察の姿は無いから…

 事件等に巻き込まれた訳では無い事だけは分かるのだが…

 何も分からない…

 謎であった…


 だが…

 あの帰ってきて葵さん一家の不在を知ってから10日後…

 つまり、明日から学校が始まるという日の夕方に…

 ピンポーン…

 自宅のインターホンが鳴り…

「駿、しゅんーっ」

 対応に出た母親が僕を呼び、玄関に行くと…

「あっ…」

 玄関には、葵さん宅の家政婦さんが立っていた。


「あ…駿さん…これを…」

 そしてその家政婦さんは僕に…

「これ…葵さんからです…」

 僕に…

 手紙を渡してきたんだ。


 更に悪い予感しかしなかった…
 

 


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