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担当とハプバーで
第6章 墓まで連れ添う秘密たち
え。
言葉に思考が追いつかない。
ハヤテは相変わらずニヤついたまま、私の言葉を待っている。
生唾を吞み込む。
なんだか喉が痛い気がする。
それは、本気なの。
冗談なの。
ばかね。
そんなの一つなのに。
「や……またからかって」
「このまま三回目があると思ってる?」
ナイフだ。
なんて胸に突き刺さる。
ハヤテの指先が頬をツーっと滑り降りて喉の脈動を確かめるように押し当てる。
「思って……いたい、かも」
やだ。
なんでこんな簡単に涙が出てくるの。
手のひらが鎖骨を撫でる。
動き一つに全身が集中してる。
「だって、ハヤテが好きだから……」
左の乳房を包んだまま手が止まる。
心臓の音が耳まで聞こえそう。
どきどき、どきどきって。
ハヤテは薄い唇をゆるく開いた。
「ダメだろ。錯覚しちゃ」
ぐっと爪が立って、顔を歪める。
白い肌に半月型の爪の跡が残る。
「痛っ」
「凛音はたまたま見かけた俺の外見と態度が好きなだけ。二回目じゃ体の相性すらわかんねえのに」
ずず、と下に滑る手のひらが乳首を擦る。
「あっ」
ゆっくりと中指の腹で押しつぶされる。
「でも、ハヤテのことは……色々、知ってる」
ぴんと上を向いた乳首をキュッとつままれた。
痺れる快感に耐えきれずに指を噛む。
「そうだな」
親指と人差し指で挟まれた突起をクイっと引っ張られる。
「いっあ!」
痛みだけじゃない鋭利な快感に仰け反ってしまう。
「何年も前の動画まで遡るし……あのバーに通ってるの知ってる女は凛音だけ」
指先が離れたと思うと、背中をぐっと引き寄せられた。
目の前。
視線が、捕まる。
「どこかに暴露する性格でもないよな」
「だ、誰にもバラさないよ」
ふっと笑いの息が首元に当たる。
「本当に、ハヤテの、ファンだから……」
「じゃあ今夜泊まる?」
間髪入れずに投げられた質問に固まってしまう。
泊まる?
朝まで?
仕事のことより化粧のことより、真っ先に浮かんだのは祥里のこと。
「泊まってくれたら、次の約束をしてあげるけど」
「そんなの」
「バレなきゃいいって思ってる? 別れちゃえよ」
さらに追い詰められる。
「結婚もセックスもしねえ男は、クズだろ」
そう。
そうなん、だけど。
付き合ってきた期間が、世間体が。
ああ、脅迫じゃん。