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花狂い
第5章 恵 2

野原の居る 警備会社は 警察の天下りが多く
また武術の 有段者が多数採用されている 

時々ホームレスが入店するが
警備に裏に連れて行かれ 
来ないようにと丁寧に 諭されて
解放される 顔や腕など 目立つ処に
撲殴の痕跡は 無いが ホームレス達は
暫くは痛みに 呻いていた 

ホームレスが 被害を警察に届けても
相手にされず 高島の店には 
何も知らないホームレスが 
時々迷い込む位で 従業員もお客様も安心できる環境を
野原は維持していた 

高島は 警備室を出ると 中元コーナーに向かい
塩崎が心配そうに寄って来た 

「 大丈夫でしたか ?」
と不安そうに尋ねられ

「 快く帰って貰った 中元に今度来るから宜しく 」
と高島が言うと怪訝な顔をした 

「 凄い 怒り様でしたよ 」

「 いきなり あそこで責任者呼べって 」

「 私、何が何だか判らなくて 」

「 少し パニックに成ってたかも」
とほっとした表情で 売り場へ戻ろうと背中を向けた 

高島も 売り場を見ようかと
塩崎の背中に手を当て 売り場へ向かう

塩崎の背に 手を当てたのはほんの一瞬の事だった
塩崎が動きを止め 歩き出した 

売り場の椅子に 塩崎が腰かけ
パンフレットを整理しながら

「 課長 」
と声を掛けてきた 
高島が見ると 思いつめた様に

「 少し 相談に乗って頂けます?」
高島を見た 高島が頷くと 

「 明日 課長お休みでしたよね? 」

「 何か御用有りますか? 」
と聞かれ 特に無いと答えると

郊外のショッピングモールで 
11時に 待ち合わせる約束をして
事務所に戻ると 本店から
遥の絵を本店で一週間展示したい
本人に確認して 一か月後の展示を
取りつけて貰いたいと 
半ば 強制的なFAXが届いていた

地方のTVニュースと 今までに無い盛況に
本店が興味を示した為の事らしい 
高島はFAXを持ち 山辺に見せ
山辺が 良い事ですと 嬉しそうに言いながら
私も同行してもと 聞いて来た 

「 是非 お願いします 」
高島は答えた
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