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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第18章 祥子 32歳
「どうぞ…」
コーヒーカップをテーブルの上に置くときに手が震えて
コーヒーカップがカチャカチャと音を立てた。
「しかし、とんでもないことを仕出かしてくれたねえ」
置かれたコーヒーカップに目もくれずに
金のネックレスをジャラっと音をたてて
その男は夫を睨み付けた。
「いや、だから返済は月々20万円という約束だったじゃないか…
こうして、その金額は用意してあるんだから
それを持って帰ってくれないか?」
夫は現金の入った茶封筒をテーブルの上に滑らせた。
「これじゃあ、足りないと言っているんだよ
利息分はどうした?ん?
まさか借りた金を分割で払っていけばいいとでも思っていたのか?」
「利息なしの分割でいいと言ったのはあんたじゃないか!」
「そんなことを言った覚えはないね
それに、ここにある借用書には利息も支払うと書いてあるんだけどねえ」
まさか!?
夫は慌てて借用書を手に取り
しっかりと目を通した。
どのようなカラクリがあったのか
そこに書かれている内容は自分がサインしたときとは別の項目が増えていた。
「納得したかい?
と言うわけで…どうすんの?利息分!」
男はふんぞり返って足を組んだ。
体を装飾しているアクセサリーの数々が
金ピカに輝いて一層威圧感を醸し出していました。