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第41章 晴海　36歳

私はショックでした

夫との旅行をあんなに楽しみにしていたのに
どうしても出勤しないといけないとかで
夫の有給休暇が取り消されてしまいました。

今から旅行をキャンセルすると
キャンセル料が発生してしまいます。

それはそれで何だかすごい無駄遣いをした気分になってしまいます。

「お前1人で行ってくればいいじゃん」

夫はそう言ってくれますけど
独り旅なんてしたこともないし、
話し相手もいないんじゃつまんない。

「由美ちゃんを誘ってみれば？
大学生だし融通が利くんだろ？」

由美は再婚した母のお相手の連れ子さんで
年齢もかなり離れていましたし
妹というよりは娘と言ってもいいぐらいの年齢差でしたからあまり乗り気ではありませんでした。

「君たちゆっくり話したこともなかったんだろ？
ちょうどいいじゃないか
この際、親睦を深めればいいよ」

夫がそう言ってくれたので
私は久々に由美に連絡をしてみました。

一緒に旅行に行かない？
そう尋ねてみると間髪いれずに「行く！行きます！」と嬉しそうに返事をしてきた。

ここまで喜んでくれるのならと
私は夫の言うように妹をよく理解するためにも
一緒に旅行に行くことにしました。