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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第46章 明日香 29歳
私は奥様方の白い視線を浴びながら
テニスボールを追った。
明日香の夫は遠洋漁業の航海士なので
ひと度外洋に出てしまうと
半年、いえ、長い時は一年ぐらいは家に戻ってきません。
それなりに性欲のあるヤングミセスなので
家に閉じ籠っていると悶々としてしまいます。
そんな時でした
お隣の向島さんの奥さまが
「明日香ちゃん、あんた暇でしょう?
ダラダラしてたら太ってしまうわよ
ねえ、気晴らしを兼ねてテニススクールに通わない?」
親切に誘ってくれたと思ったら
テニススクールの壁のポスターに「ご友人ご紹介キャンペーン」と文字が…
どうやら誰かを紹介したら
一年間のスクール費用が半額になると言うことでした。
『なぁ~んだ、親切で誘ってくれたんじゃなかったのね』
ガッカリしましたが、
私は高校までテニス部に在籍していたので
向島の奥さま方とはレベルが違いました。
コーチも私とラリーをするのが楽しいようで
けっこう厳しいコースにリターンしてきます。
「ねえねえ、明日香ちゃんの時だけ指導時間がやけに長いと思わない?」
私に一生懸命教えてくれるものだから
素人同然の奥さまたちからは嫉妬の陰口を叩かれていました。