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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第1章 由恵 28歳
「ね、こうして知り合ったのも何かの縁だし
お互いに下の名前で呼びあわない?」
「えっ?」
「私は由恵よ。どう?名前を聞くと一気におばさんっぽく感じるでしょ?」
「ううん、そんなことない!
とても綺麗な名前だ…」
西尾くんは「綺麗」という言葉を口にして
顔を真っ赤に染めた。
『あら、可愛い…』
その瞬間、彼に対して特別な感情を抱いてしまいました。
「僕は圭太です。西尾圭太です」
「そう、圭太くんね…
私の方が年上だから圭太って呼び捨てにしてもいい?」
呼び捨てにされて、ますます顔を赤くして茹でダコのようです。
うっかりすると鼻血さえ出しそうな勢いです。
「お~い、そこの二人!
いつまで休憩してるんだぁ」
主任さんが焦れて私たちを早く店内に戻れと急かしてきます。
「はあ~い、すぐに戻りまぁ~す」
立ち上がろうとしたら腰に痛みが…
「痛~い!」
思わず口にして「ね、おばさんっぽいでしょ?」と
圭太に微笑みかけて上げました。