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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第7章 美咲 36歳
「なあ…真剣に子作りのことを考えようよ」
元来、子供好きの夫は
事あるごとに妻の美咲に妊娠するためにセックスを持ちかけてきた。
「いやよ、妊娠するためにわざわざセックスをするなんて」
「いや、そもそも夫婦であるからには
子作りは最大の家族計画だろ?
セックスしなきゃ妊娠もしないじゃないか」
夫はそう言うけれど
私は妊娠が怖かった。
と言うよりも、出産が怖かった。
女性器を押し開いて赤ちゃんが出てくるなんて
考えただけでアソコが痛くなる。
「子供が欲しいのなら
私の卵子とあなたの精子で人工受精させて
代理母に出産をお願いしましょうよ」
「それは不妊の人たちが最終手段ですることだろ?
君は健康体なんだから自然分娩で出産するのが一番じゃないか」
そう言われても
出産をすると体型が崩れるとも聞くし
痛い思いまでして子供を作ろうとは思いたくもなかった。
そんなある日の事、
「なあ、今夜はハロウィンだよね」
夫が唐突にそんなことを言い出した。