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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第1章 『夫婦円満本舗』
「でも…、仁さんも…ご主人のお茶に
精力剤混ぜとけとかって…、
仁さんも、やる事選びませんよね?」
「それもこれも全部、
あの夫婦の夫婦円満の為なのッ。
その為の手段は選ばないし、
努力は惜しまない主義なんだってば」
ソファに寝ころんだままで、
ヒラヒラと手を振って居る茂木の手に
真奈美が冷蔵庫から出した缶ビールを握らせた。
「はい、仁さん、
ご所望の、ご褒美ビールですよ~」
「ビール様ッ、この瞬間があるから
僕はお仕事頑張れるっ…」
「仁さん、ビールは良いですけど。
飲み過ぎて、中年太りとかしないで下さいよ?
仁さんなんて、顔と身体位しか
良い所ないじゃないですか」
「チンコ。真奈美ちゃん、
僕の、チンコ忘れてるから。
仁さんは、顔も身体も良いけど、
チンコが最高なんだってば」
「知りませんよ、仁さんのチンチンなんて。
良いのか、悪いのか、私は仁さんと
えっちした事…無いんですもんッ…。
だったら、その性格なんとかして下さいよ。
そうしたら、仁さん…モテまくりですよ?」
「僕は…子供マンコに興味ないの…。
それに…女には昔から、不自由したことないから」
「ふぅ~~ん、そうなんですかぁ?」
「それに、僕はこれでいいの」
プルルルルルッ プルルルルルルッ
「真奈美ちゃ~ん、電話~」
「私は電話じゃありませんっ…、
仕事に熱心過ぎる分、仁さんは普段が
ルーズ過ぎるんですよッ、全く」
デスクの上の固定電話のベルが鳴って、
真奈美が受話器をあげると。
「はい、お電話ありがとうございます。
こちら、夫婦円満本舗でございます。
本日は仕事のご依頼でしょうか?はい…はいッ」
スッと真奈美が、受話器を
茂木に差し出して、手に持っていた
缶ビールを回収して行く。
「仁さん、ビールはお預けですよ?
お得意様の、成田様から
お仕事のご依頼のお電話ですよぉ~」
茂木が…依頼の内容を確認し、
通話が切れた受話器を真奈美に返すと。
そのまま…車のキーも持って…
夫婦円満本舗を後にした。