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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第10章 『次の日の朝』

そのアルファードに揺られて向かった先は…。

半年先…まで…予約が取れないとか言う…、

カリスマ美容師が店長をしている、

完全予約制のヘアサロンの個室で。

営業時間前…から…特別に…店を開けて貰って…、

ヘアセットをして貰って居た。


「でも…、前からだけどさぁ~
仁はいつも突然だよねぇ?
ねぇ、仁、今度、カットにもおいでよ~。
僕と仁の仲なんだしさ、タダでしてあげるよ?」

『あのなぁ…、薫…、
お前にカットして貰いたくて
他県から来てる…客だって居るんだろ?
僕の髪なんて誰も伸びてても
何も…気にしねぇよ…、
それより、お前に切って欲しいて
言って来る客の
カットしてやれば…良いだろ?』

薫…と…僕が呼んだ、
この中性的な顔立ちの
華奢な男はこの店のオーナーで、
若くして自分の店を一等地に
構えているカリスマ美容師だ。

「そんな事…言って、昔から仁は
自分の事には無頓着だよね?
顔だって…こんなにいいパーツしてるのに、
カットで…もっと…良い男になるよ?
それにしても…、珍しくない…?
仁が貴虎と一緒に来るなんてさ」

「へへへ~、見てよ、薫。
似合ってるでしょ?
仁が着てるアルマーニのスーツ」

『借りたんだよ、これ
貴虎に頼んで貴虎の兄ちゃんに』

仏頂面の仁と…、
ニコニコの笑顔の貴虎を薫は見て
ああ成程と納得をした訳で。

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