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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第12章 『真奈美と仁』
ベッドの枕元に伏せた写真立ては、
そのままそこに置いたままで。
自分が寝るはずの、ソファの方へ
その写真立てを持って行く訳でもなく。
元に戻して、立てる訳でもなく、
そのまま伏せたままにして戻ってしまって。
その場所に…伏せて置かれた写真立ては…、
この事には…触れるなと言う…
仁さんの気持ちを表している様だった。
仁が…リビングのソファの方に戻ってしまって。
寝室のダブルベッドには、真奈美1人になる。
さっきまで自分の身体を包んでいた、
仁さんの体温が無くなって
ひとりぼっちになった…
ダブルベッドは…妙に広くて、寒く感じる。
真奈美が…そのベッドの上で、
体操座りをする様にして、座りながら。
自分で…自分を抱きしめる様にして
自分を腕を掴んでその手に力を込めて。
自分の身体を自分で抱きしめる。
「仁さんの…馬鹿…ッ…、
真奈美は…平気…なのに…。
乱暴に…されるのだって…、
慣れてる…のに…。
真奈美は…仁さんになら…、
酷くされたって平気…なの…に…ッ」
ーー
ーー
ーー
ゴロン…と…、仁は…ソファの上に寝転がって、
リビングの天井を見上げる。
見上げた所で、電気を消しているのだから。
真っ暗な闇が…広がっているだけだ。