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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』

『仁さん、これ…好きでさ。
毎回乗ってるんだけどね?
一緒に乗ろうよ、ロックンロール』

そう珍しくこれに乗りたいと、
仁さんの方から言い出して来たので。
と言っても、わざわざ誘わなくても。
最初のジェットコースターから全部
一緒に乗ってるのに…と思いながら。

「そうですね、真奈美は
コレ乗った事、無い気がします」

『じゃあ、後ろ向きになる方に
僕が乗るね。
後ろ向けの方、酔いやすいから』

仁さんが好きだと言って居た乗り物だけど、
嬉しそうな様子をしてるけど、
どこか…物悲しそうな顔をしていて。
もしかしたら…、仁さんが…最後に
これに…乗った時に一緒に乗った相手って。

もしかしても、もしかしなくても…。

仁さんの奥さんの、
萌花さん…なんじゃないかって。

『真奈美ちゃん、何色に乗る?』

そう言って、ロックロールの外側の色を
何色にするか聞いて来るけど。
青だろうが緑だろうが
黄色だろうがピンクでも。

乗り込んでしまえば、
内側の色全部一緒な気がするけどな。

「えっと…、じゃあ…水色に…」

一番近くにあったのが、水色だったので。
その水色のゴンドラの様な部分に
中央に持つためのバーがあるから
かなり乗り込む場所は狭いのだが。

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