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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』
「仁さん…お風呂はもう入ってるから
そのまま寝ちゃっても別に良いですけど。
寝るんだったらそこじゃなくて、
ベッドで寝て下さいよ?
それに、…歯磨き…は
ちゃんと、して寝て下さいね」
『大丈夫、大丈夫だって。
そんな言わなくてもいいじゃんか。
僕だって、まだ飲んでるから…寝ないって。
そんな言い方しなくても、大丈夫』
「酔っぱらってる人ほど、
大丈夫だって言うんですよ~
って、聞いてますか?仁さん」
真奈美が空になった食器を
コンテナの中に入れながら、
リビングの方で酒を飲んでいる仁に
真奈美が声を掛けた。
『うん、聞いてる聞いてる、
こっちは、美味しく飲んでるよ』
地酒の冷酒グラスを傾けながら。
仁がリビングのソファの上で、
真奈美に後片付けを任せて寛ぎながら。
グイっと…グラスの中の酒を飲み干した。
和室の方へ目を向けると、
片付けをしている真奈美の姿が見える。
真奈美ちゃんは…、僕の親父の子供じゃない。
そして…、僕のお祖父ちゃんの隠し子でもない…。
でも…僕と…真奈美ちゃんは…、兄妹ではないが。
割と近い…親戚関係にある…と言うのが…、
真奈美ちゃんのDNA鑑定の結果だ…。