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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第14章 『慰安旅行・翌日』
その文字の筆跡が最初はきちんと
揃えて几帳面に…書かれていたのに
段々と筆跡が乱れているのが、
パッと全体を見てるだけでも分かるし。
その暴言の…中に込められた感情の
色が…滲み出ている様に見て取れる。
『あ~、内村さん…。
これ、真奈美ちゃんに
見られる前に出来たら、
消しちゃいたいんで…すけど。
ここまで、来て貰って…も…?』
ドアに広がっている暴言の数々に、
ストーカーの元から歪んでいた愛情が。
恨みへと、憎しみへとシフトチェンジしたのを
仁はその内容から感じ取ったのだが。
内心、真奈美ちゃんを不動産屋に
押し込んで良かったなって…思った。
『とりあえず証拠写真…撮ってだけど、
来て貰って…見て貰う方が早いしな。
真奈美ちゃんが…物件
見に行って戻る前に…終わらせたいな…』
電話の向こうで内村に笑われてしまって。
『内村さんッ、そんな笑わなくて
良いじゃないですか…ッ、
だから、僕も、…分かってますって。
僕だって…いい加減な気持ちで
…いる訳じゃない…ですよ…?
真奈美ちゃんの気持ちも……、
分かってるつもりですって。
だから、そんな言い方ッ…しなくて…も…』