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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第15章 『仁さんの…入院生活』
コンコンと…ドアがノックされて。
こっちの返事を待たずに
ガチャと…ドアが開いて。
「よぉ…。仁…、意識戻ったんだってなぁ」
その…割と…女性にしては低めの声に、
仁は聞き覚えがあって。
開いたドアの方を見ると。
そこには、スクラブを着た
女性が一人立っていて。
「どうせ、お前の事だから…
女…にでも、刺されたんじゃないのか?」
女はニタニタと笑みを浮かべながら、
そう仁に対して親し気な口調で
嫌味を言って来て居て。
「それより、刺された傷の具合はどうだ?
お前がウチに担ぎ込まれた時に、
私が処置してやったんだぞ?
バッチリ調子いいだろう?当然だな」
『お前…ここで…働いてたのか…?小町…』
「私がどこの病院で働こうと、
私の自由だろうが?違うか?仁。
それよりも、あれから何年ぶりだ…?
お前と付き合ってたのは、私が
17の時だったから、お前と
別れてから15年にもなるのか…。
私は医大に進学したから、
高校卒業以来だな」
その左手の薬指には
指輪がはまって居るので。
既婚者であるのは間違いないのだろうが。
こんな場所で…、過去の女に…会うとか…。
それも…よりにもよって…小町とか…。