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第16章 『元カノからの依頼』

小町の驕りの缶コーヒーの
蓋を開けた物の、
仁はその…缶コーヒーに
口をつけずに。
両手で握ったまま、
その飲み口に視線を注いでいた。


『それは…、小町が…
夫婦円満本舗に依頼って言うか
相談をしたいって事でいいの？』


「まぁ、そんな感じだな。
私の旦那は……私よりも３つ年上の医者だ。
結婚してから６年ほどになるが。
お互いに…なかなか同じ家に住んでても
すれ違いが多い生活をしててな。
子供も…１度…妊娠したには、したんだが。
仕事が立て込んで無理をしたせいか。
流産してからと言う物…、
すっかり…夫との、
あっちの方ははご無沙汰になってしまって。
もう…同じ家に住んでるだけの
同居人みたいな…存在だよ…。
あっちはあっちで、私には
立つものも立たないのに。
他所に…女が何人か居るみたいだしな…。
私が…見える場所にキスマークを
付けて帰っても…何も言わない男だ」

小町が話す様な、夫婦の間で
妻に対してだけ立たない、
中折れしてしまうと言った感じの。

”妻にだけED”と言うのは。

別に珍しい物でも何でも無く。
その症状に悩んでいる夫婦は意外と多い。

人の愛情は３年とは良く言うが。

結婚してから…小町の夫婦は、
６年になると言って居るので。
愛情だった感情が…、
別の感情に…なって居る可能性が高い。

その…愛情以上の価値観が…

結婚してから３年の…期間に
構築する事が出来るか、
出来ないかが…ネックになるのだが…。