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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第16章 『元カノからの依頼』
「仁。お前は…、
お前の奥さんに…あの時のお前が
してやれなかった事を…、今してるのか?」
『そうかも…ね…。小町は…、
相変わらず…痛い事言って来るね。
あの時の自分が…彼女に…
してあげられなかった事を…誰かにする事で。
萌花への罪悪感を…、僕は
紛らわしてるんだろう…けど…ね。
でも…小町だって…僕と同じじゃないの…?』
小町は…こっちに背中をむけたままで、
屋上のフェンスを掴んで。
静かに下を見つめていた。
「もう…手遅れ…なんじゃないかって…
今更…なんじゃないかって…。
私に…だけ…そうで、私じゃない女に
そうなるんだったら…、…私は…ッ」
『何の為に夫婦してるんだって話?
何も感じてないなら、そもそも
僕にこんな相談をしには来ないよ。
貴虎とズルズルと今のまま
不倫してればいいだけでしょ?
それに…、その…涙が…
何よりの証拠…なんじゃない?
何時も…過剰過ぎる程に、自意識過剰で
自信満々なのが、僕の知ってる小町だけど?』
「そうか…そうだな…、それが私か…。
お前は…相変わらずだな…仁」
『だって…僕は…小町を
抱き締めてあげたりできないからね?』