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第1章 　プロローグ

良く青天の霹靂なんて言葉を聞くけど、実際にそんな経験を僕はしたことはない。
でも、僕はその大事件を経験してしまうのだ。

僕の名前は細野拓海。25歳。
僕に5歳年下の妹がいるらしい。

それを知ったのはつい最近だった。
僕の両親は僕が2歳の時に離婚した。

その後、僕は栃木県の宇都宮市に住んでいる父方の祖母の元に預けられた。

今の宇都宮市は随分と華やかになったけれど、僕がまだ小さな頃はそんなに華やかな所ではなかった。

でも、夏はうるさい程に蝉が鳴いていて、虫取りや祖母が作っていた農園に行ってはトウモロコシの収穫やらホオズキを採ったりして遊んでいた。

冬はとても寒かったのを覚えている。
雪が降ると僕は嬉しくて従兄弟達と一緒に雪合戦などをして遊んでいた。

僕の兄弟と言えばこの従兄弟達だけだった。

僕の父の職業は大工だ。
そんな父も仕事の都合で小さな僕を祖母に預けるしかなかった。

父の名前は細野雅也。
僕を育ててくれた祖母の名前はサキと言う。

祖母はとても優しい人だった。
僕は高校を卒業すると専門学校へと通った。

そして、卒業してから横浜に来てひとり暮らしをしている。
今、僕は某大手百貨店でアパレルの仕事をしている。