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マスカレイドナイト
第4章 プレイルーム
一夜の夢に消えるだけの…想いなら。
口にして言葉にする事すらも…。
無意味…な物でしか無くて。
この…感情に…名前も形も…。
与えないのが…ここの…、
マスカレイドナイトのルールなのだから。
なら……もう…、言葉なんて…要らないって。
この…感じて居る…今に…。
全て…、溶かして…消えてしまえばいい。
「んっ、はぁ…、んんっ
あっ、ん、ナオト…さ…んッ……」
スルッと…自分の腕を彼の肩に回して。
抱きつく様にしてその身体に縋り付く。
今…だけ…なら…もっと、
彼を感じて…触れていたい…。
彼の名前を呼んで…。
彼だけをもっと…自分の全てで感じたい…。
きっとそれなら…、ここでも許されるから…。
溢れ出そうで自分口から漏れ出そうな、
その感情に形を与えずに。
ぎゅううっとその身体に回した腕に力を込めて。
もっと…と強請る気持ちを言葉にする代わりに、
自分の中にある…彼を締め付けて締め上げる。
私の…この行動に…、
彼のマスカレイドマスクの下の
双眸が驚いた様に見開かれるのが見えて。
私は…自分から…。
彼の答えを…奪って塞ぐ様にして。
ナオトさんの唇に、自分の唇を重ねた。
後は…、お互いの本能のままに
求め合って貪り合えば良い。
今を…分かち合えば良い…。
そう…それだけで…いい…。
その以上も…、それ以下もない…。
ここは…マスカレイドナイト…だから。
「んっ…ふ…っ、んんっ、…んんん゛ッ」
せめて…このマスカレイドマスクを…
着けている…今だけは…。
この…勘違いに…溺れてしまいたい。