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Dear.M ~例えばこんな風に貴女を壊す~
第5章 お友達
ワタシは膝の上で寝息を感じながらスマホのお気に入りを開いた。

【ブログ?……ぁ……】

クスッ……

【見ぃつけた……】

とある人妻のブログだった。
夫とのセックスを閲覧者に向けて発信している。
写真なんてものはない。
ただ、読み手の心を鷲掴むにはじゅうぶんなほどに赤裸々で生々しい。

【すごいな…美海さん人気ブロガーだったんだ……コメント数とか半端ない……】

ブログ管理者は、M…イニシャルからか。
アイコンは口許からキャミの胸元までを晒し、谷間を強調してる。
肩から下りた髪の色が間違いなく本人だと言わしめていて、
何よりワタシが今覗いているのは管理者用の画面だった。

これ以上は後にしておく。
彼女のスマホをテーブルに戻した。
ワタシは覚えたブログの題名を自らのスマホで検索をかける。

【後でゆっくり読ませてもらうね……】

彼女の頭をそっと膝から持ち上げていく。
傍にあったクッションを代わりにワタシはソファから抜け出した。

「美海さん…ゆっくり眠っててね……」

【…あれ?……私……なんで?……】

確かにちょっと疲れているなと思ってはいた。
でも、天音ちゃんとのお茶会は、私をちょっとリアルにドキドキさせてくれる大切な時間。
隣に…肩を触れあうほどの距離で座ってるだけでも眠気に襲われるなんてあり得ないと思っていた。

クッションに預けた頭を起こしていく。
キョロキョロと辺りを見渡す。
テレビは消されていて、部屋はすごく静かだった。

「天音ちゃん?……」

私はリビングから廊下出て声をかけてみた。

しんと静まりかえっていた、トイレでもないらしい。

気遣ってくれていたのに、呆れて帰ってしまったのかと不安になる。

リビングに戻ってすぐにLINEから電話をしてみた。
呼び出し音が長く感じる。

【お願い、出て……天音ちゃん……】

「あ、美海さん…起きたんですか?……」

【よかったぁ……出てくれた……】

「ごめんね…私ったらつい気が抜けて……今、どこ?……」

「部屋ですけど…そろそろ起こしに行こうかと思ってたんですよ……ねぇ、お腹減りません?……ワタシの部屋に来ませんか?……」

「え?…お腹?……」

そんなことより天音ちゃんの声がいつも通りで安心していた。

「行く…すぐ行くね……」

私はスニーカーを引っかけながら急いで隣へと向かっていた。
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