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Dear.M ~例えばこんな風に貴女を壊す~
第2章 来栖美海という女
そう思いながら始めたのは、夫とのセックスを活字に起こした日記風のブログだった。
それが思いの外、受けていったのには正直驚いた。
大袈裟に盛らないのが余計に生々しさを感じさせたのかもしれない。
いいね!がどんどん増えていく。
コメント欄に称賛と共感の声が届いてくる。

私も誰かに視られている感覚にハマっていった。
ハンドルネーム「M」の赤裸々淫乱日記は人気を博していった。

【そうだよ…みんなが言う通り…私は変態なんだ…鬼畜なこと大好きなんだよ……】

妄想は膨れ上がり続けていく。
夫とのセックス、子供達に知られる危険、日常を晒し、煽られまた煽っていく。
あらゆる媒体から仕入れた情報と自らの経験を元に自作の官能小説までアップしていった。
これも評判になっていった。

【私の文章に濡れた?…抜いた?…私も自分で今、まさに弄ってるのっ……】

もちろん、夫は昼間の私のことなど知る由もない。
知られたくないとは思っている。
でも謝ることなんてない。
だって私は浮気をしてるわけじゃない。

ブログの読者から私の住む街に出張で行くとのコメントがあった。
もしかしたらどこかですれ違うかもしれない。
そんなあるはずのないことも私を興奮させていく。

もうブログを始めて一年近くが経過していた。
夫を見送りながら思う。

【ねぇ…あなたの知らない私がいるの……私…あなたとのセックスみんなに報告してるんだ……それがね…すごく興奮するの……】

子供達の目を盗んで頬にキスをした。
何も知らない夫が照れる。

【可愛い……ほんとに大好きだよ……】

「じゃあ、みんないってらっしゃい……」

そんなある日、電子書籍でレズビアンの漫画を読んでいた。

【女性同士ってなんかいいかも……】

BLやホラーは苦手だったが女同士の交わりはエロいだけじゃない、どこか美しく思えた。

「この前引っ越しの挨拶に来てた娘……天音ちゃんって言ったっけ……なんか可愛いかったな……」

女同士の経験なんてなかった。
ショーツの上から弄り出す。

【妄想するくらい…いいよね……】

私は壁の向こうに視線を走らせる。
クロッチ越しに浮かび上がったクリトリスを捏ねていく。
じわりと溢れ染みができていく。
ショーツの上からなんてもう我慢できない。

「ねぇ…視て……」

よく知りもしない女の子を思い描いて指を挿れていった。
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