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Dear.M ~例えばこんな風に貴女を壊す~
第3章 黒川天音という女
【あぁ~ぁ…これから眼鏡ちゃんとお楽しみだったのに……】

「あれ?…その女(ひと)って経理の……女子会でもしてたの?…」

【やっぱり知ってるよね……イブに女子会なんてするわけないでしょ……アフター、マンションてどんなんだよ……】

「天音さん…彼って後輩だよね……なんでここに居るの?……」

手を繋いでいた眼鏡ちゃんが腕にしがみついてくる。

【眼鏡ちゃんまでやめて……】

ワタシはホープ君に失望していた。

【だから男ってめんどくさい……】

サプライズ?…ただの自己主張だろ…。

「女同士だからってくっつき過ぎじゃない…天音から離れろって…」

【やめてくれよ…ここはレディースマンションの真ん前なんだよ……】

「女同士だからなに?……私は天音さんの彼女なのっ……貴方こそ、こんなところで待ち伏せて…ストーカー?……」

「はぁ?…俺は天音の彼氏なんだよ……サプライズを……え?……なに、あんたが彼女?…天音……冗談だよね……あれ?…俺が明日でイブにこの女とって……」

【そうだよ…お察しの通り……】

「天音さん…男より私の方が好きって……彼氏なんてコイツの勘違いですよね……」

【男よりってのは嘘じゃない…でも彼氏っていうのも嘘じゃないんだよね……】

「もう夜だから…声響くから……今夜は帰りなさい……」

ワタシはホープ君に告げて、くっつく眼鏡ちゃんを伴いマンションへと入っていく。

「なんで否定しないの?…彼氏って本当なの?……」

眼鏡ちゃんの声は震えている。

「なんで俺が帰らなきゃいけないんだよ……一緒に行くのは俺じゃないのかよ……」

【だから声を張らないでよ…ほんとにワタシをここに住めなくするつもりか……】

ワタシは振り向くことなくオートロックを解錠して中へと入っていった。

眼鏡ちゃんも怒ってる。
さすがにストーカーでも、ただの勘違い野郎でもないということに気づいたようだ。

ほんとに聖なる夜は台無しとなった。

だから男はめんどくさい。
彼女にした途端に我が物顔になる。
セックスはいい。
男性器に逝かされるのは嫌いじゃない。
だから男に抱かれるし、彼氏だって作る。

でも、海に溺れる彼氏か彼女か、どちらか一人しか助けられないのなら…ワタシは迷わず彼女に手を伸ばすだろう。
女性の方が楽なんだ。
楽というのは大事なことだとワタシは思う。
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