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Dear.M ~例えばこんな風に貴女を壊す~
第7章 本気の代償
左隣に座った前川くんと、肩を寄せ合い乾杯をした。
最初は近況報告。
グラスを空ける頃には昔話になっていた。
新しいカクテルを取りに行く間も勿体ないと、注ぎ回し用のワインを口にしていく。

「ねぇ、前川くん…憶えてる?…」

「ん?…来栖さんとのことで?…」

「もう…いつまでそんな他人行儀なの?……」

ちょっとはにかんだ照れ笑い。
面影を感じて、気持ちは中学時代に戻っていくようだった。

【この笑顔が好きだったんだよね……】

「わるいわるい…ミナちゃん…それでなに?…」

憶えてないのかな?
もちろん、今となってはいい思い出だけど…。
当時は眠れなくなるほど傷ついた。

「私が2年の時に告ったことなんだけど……」

本気で驚いた顔を一瞬だけ見せて笑顔を取り繕う。

【そっか…憶えてないのかぁ……】

ふった側はそんなものなんだろう。
けど、誤魔化さないところが好感度を上げる。

「えぇ…そんなことあったっけ?…」

「あったんだよ…あっさりと振られちゃったけどね…前川くん酷かったんだから……付き合うとかなくね?……とか言っちゃって……」

「マジか…最低だな俺……でもその頃は見る目なかったんだな……ミナちゃんこんなに美人になって…勿体ないことしたぁ…」

「後悔しても遅いのよ……おかげで愛しの旦那様と子供達に出逢えたんだから……」

やっぱりいい男だなと思った。
それから二人で話した。
他愛もない内容だけど、すごく楽しかった。
だから油断したのかもしれない。
雰囲気に従うようにお酒も飲んでしまっていた。

「ちょっと化粧室行ってくるね……」

「わかった…ここ空けておくからちゃんと戻ってくるんだぞ…」

「OK……」

すっかり打ち解けていた。
少し足下がおぼつかない。
化粧室は壁の裏になっていて、フロアからは死角になっていた。

【ちょっとペース早過ぎたかな…戻ったらソフトドリンクに切り替えなきゃ……】

トイレから出るとオーナーとすれ違い、少し避けようとしてふらついてしまった。

「おっと大丈夫?…飲みすぎたのか?…」

腰を抱かれるように支えられていた。

「あ、ごめん…うん、平気……」

「とても大丈夫には見えないけどな…前川のところ戻る前に休憩していくか?…」

そう囁かれると、私の背中は壁に押しつけられていた。
え?…と思った瞬間、唇は重なっていた。
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