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第12章 新たに生まれいでて

　コンの顔には、この上なく優しい笑みが広がっている。彼が袖から薄紫の巾着を取り出した。逆さにすると、二つのノリゲが現れる。



　桃色(ピンク)蒼玉(サファイア)と青(ブルー)蒼玉(サファイア)のノリゲは表面に精緻な文様が彫り込まれている逸品だ。



　コンがその一つ、ピンクサファイアのノリゲを彼女に差し出した。



「このノリゲは対(ペア)になっている。一つは俺が、もう一つは雪鈴に持っていて欲しい」