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第16章 伝説の村

　雪鈴はスチョンに対峙した。



「スチョン、この屋敷に来たばかりの頃、あなたにもソンニョにも本当によくして貰ったわ。私は一度嫁いだ身で良人に先立たれ、義両親からは死ねと迫られる苦しい身の上だった。そんな私にコンさまもあなたも、そしてソンニョも何も訊かずに優しくしてくれた。あなたたちの無言の優しさがどれだけ私を慰めてくれたか、感謝の言葉は伝えきれないほどよ。言わば、ソンニョは私にとって恩人の一人なの。あの娘が重い病気になって苦しんでいるときこそ、側にいかなければ」