この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第17章 龍神の花嫁
老婆がしきりに思い出すような表情で続けた。
「確か当時、姑は十六で、初めての子を産んで間なしだった。その頃、空梅雨が続いて秋になって龍江が干上がりそうになっちまった。なに、この村じゃ、そう珍しいことではない。けンど、あの河が干上がっちまったら、この村はたちまち、すべてがたちゆかなくなる。それで、その度に村中が恐慌状態になるんだ。ある時、誰かが、こうも度々河が干上がるのは龍江に棲む龍神を疎かにしているから、河の神が怒っているんじゃないかとたわ言を言い出したのが発端さ」
「確か当時、姑は十六で、初めての子を産んで間なしだった。その頃、空梅雨が続いて秋になって龍江が干上がりそうになっちまった。なに、この村じゃ、そう珍しいことではない。けンど、あの河が干上がっちまったら、この村はたちまち、すべてがたちゆかなくなる。それで、その度に村中が恐慌状態になるんだ。ある時、誰かが、こうも度々河が干上がるのは龍江に棲む龍神を疎かにしているから、河の神が怒っているんじゃないかとたわ言を言い出したのが発端さ」