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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第18章 洞窟に咲く桜
スングムが涙ながらに頷いた。
「だとしたら、あたし、いつか村に帰りたいです。だって、あの村は、あたしや姉ちゃんが生まれたふるさとだもの」
雪鈴は頷き、すすり泣くスングムをそっと引き寄せ、抱きしめた。
「そうね、きっと、いつか帰れる日が来るわ」
「いつか、きっと」
スングムが鼻を啜り、囁く。
必ずや彼女の悲願にも似た願いは、いつの日か届くに違いない。雪鈴もまたそう信じたかった。
(了)