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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第23章 涙雨
 紅い王衣の裾が風にはためく。午後になり、やや風が出てきたようだ。



 雪鈴は慌てて頭を下げ、国王に対して礼を取った。



「何やら随分と楽しげに話し込んでいたな」



 先刻の兄との立ち話を見られていたのだ。どこからどこまで見ていたのか知れず、迂闊なことは言えなかった。
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