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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第25章 密会
姫貝細工は濃いピンクの花もあれば、純白の花も混じっている。そっと指で触れると、カサカサとした紙のような手触りが懐かしい。殊に濃いピンクの花びらの鮮やかさは、コンから求愛の証として贈られたピンクサファイアのノリゲをどうしても思い出してしまう。あのノリゲは後宮に入るまでは普段つけていたのだけれど、流石にコンから贈られた帯飾りを堂々と後宮でつける勇気はなかった。今は室の文机の引き出しに大切にしまっている。