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第28章 哀しきすれ違い

　午後になって、風が少し強くなったようである。改めてもう霜月も半ばになろうとしているのだと思い知った。今年も残すところあとひと月と少ししかない。




　このところ、雪鈴は毎日、同じ場所に座り茫漠としたまなざしを外に向けていた。何をするでもない。ただ朝めざめて夜、床に入るまで機械的に食事を取る他はずっと窓辺に張りついている。放っておけば、食事すらしないだろう。