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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第5章 突然の別離
が、母の蒼褪めた顔を見て、雪鈴は絶望に心が染まった。母の顔色は先刻以上に思わしくない。
父を説得できなかったのだ。それでも、雪鈴は一縷の望みを賭けた。
「お父さまは、何とおっしゃって?」
オクチェは座り込み、また娘の両手を自分の手で包み込んだ。刹那、雪鈴は崔家を逃れる間際、雪鈴の手を包み込んだアジョンの手を思い出した。上流両班家夫人である母の手はアジョンのように荒れてはおらず、若い女性のようになめらかでシミ一つない。
父を説得できなかったのだ。それでも、雪鈴は一縷の望みを賭けた。
「お父さまは、何とおっしゃって?」
オクチェは座り込み、また娘の両手を自分の手で包み込んだ。刹那、雪鈴は崔家を逃れる間際、雪鈴の手を包み込んだアジョンの手を思い出した。上流両班家夫人である母の手はアジョンのように荒れてはおらず、若い女性のようになめらかでシミ一つない。