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第28章 哀しきすれ違い

　やや経って向けられた彼の瞳には、烈しい光が閃いていた。あたかも熱した鉄が真紅にいこったような熱を孕んでいる。



　彼は雪鈴を見据え、更に言葉を重ねた。



「この際ですゆえ、はきと申し上げた方がよろしいですね。私が望むのは、この国で最高の権力を持つ殿方です。たとえ、あなたさまが世子になられようと、国王殿下には敵わない。お判り戴けましたか？　それが私の心変わりの理由です」