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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第30章 揀擇

大人しくして無難にふるまえば、最終選考にいるこの五人は全員が当代の王の後宮に入ることになる。けれど、スンジェは他の令嬢の下に立つのを良しとしなかった。
あまり考えたくはないけれど、彼女がもっとも負けたくないと考えていたのは、他ならぬ雪鈴ではなかったか。先王の御子の生母となる雪鈴の上に立てるとしたら、王妃の座につくしかない。その王妃に選ばれる望みが泡沫(うたかた)のように砕かれた今、彼女はもう自分がここにいる意味を見いだせなくなってしまったのだろう。
あまり考えたくはないけれど、彼女がもっとも負けたくないと考えていたのは、他ならぬ雪鈴ではなかったか。先王の御子の生母となる雪鈴の上に立てるとしたら、王妃の座につくしかない。その王妃に選ばれる望みが泡沫(うたかた)のように砕かれた今、彼女はもう自分がここにいる意味を見いだせなくなってしまったのだろう。

