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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第4章 序章~最初の「死」~

その夜は心細くなるような一面の闇が空を覆い尽くしていた。生まれたばかりの新月が頼りなげに浮かんでいる他は、星たちも何かを怖れて姿を隠してしまったかのようだ。
朝になれば、雪鈴の逃亡は義父母が知るところになる。直ちに追っ手が放たれるだろう。夜明けまでに少しでも遠くへ逃げなければならない。その一心で、駆けに駆けた。
天が雪鈴を憐れんだのか、追っ手に見つかることはなく、雪鈴は無事に数日をかけて南方の小さな町にある実家まで戻ることができたのだ。
朝になれば、雪鈴の逃亡は義父母が知るところになる。直ちに追っ手が放たれるだろう。夜明けまでに少しでも遠くへ逃げなければならない。その一心で、駆けに駆けた。
天が雪鈴を憐れんだのか、追っ手に見つかることはなく、雪鈴は無事に数日をかけて南方の小さな町にある実家まで戻ることができたのだ。

