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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第35章 出逢い~黄金の少女(おとめ)~

やがて、完全に風が止んだ。秋の風も心ないことをするものだ、と、柄にもないことを考える。先ほどの強い風のせいで、満開の花たちもかなり散ってしまったのではないか。
彼はもう一度、金木犀をよく見ようと眼を凝らした。折しも傾いてきた太陽の光が金木犀を真っすぐに照らしている。陽光に包まれた花だけでなく、樹そのものが黄金に輝いているようだ。賛がまた手のひらを額にかざしたのは、眩しすぎたからだった。
彼はもう一度、金木犀をよく見ようと眼を凝らした。折しも傾いてきた太陽の光が金木犀を真っすぐに照らしている。陽光に包まれた花だけでなく、樹そのものが黄金に輝いているようだ。賛がまた手のひらを額にかざしたのは、眩しすぎたからだった。

