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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない
妙なこともあるものだ。銀色の蝶たちを見るまでは、あの場所に人など見えなかったはずだ。とはいえ、行き倒れを放置するわけにもゆかない。彼は基本的に冷酷ではないが、かといってお人好しではなかった。特に厄介事に拘わるのはご免だと思っている。
とはいえ、ただでさえ寒い真冬、しかも夜になればすべてが凍り付く山奥の河原に行き倒れを見捨ててゆけば、その者がどうなるかは知れていた。あの者は翌朝を待たず、行き倒れどころか死人になり果てるだろう。
とはいえ、ただでさえ寒い真冬、しかも夜になればすべてが凍り付く山奥の河原に行き倒れを見捨ててゆけば、その者がどうなるかは知れていた。あの者は翌朝を待たず、行き倒れどころか死人になり果てるだろう。