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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない
 間近で見る銀蝶は奇跡としか言いようがなかった。キラキラと光る銀色の羽には繊細な模様が透けて見え、宝石のように煌めいている。この世のものとも思えぬ美しさだ。



 雪鈴はひとりでに苦笑した。



 これは夢だから、あり得ないほど美しい蝶がいても何の不思議もない。



 雪鈴は恐らく、自分は今、あの世とやらにいるのだろうと思った。銀の蝶といえば、あの崖上から飛び降りた瞬間にも銀色の蝶たちが彼女の身体を守るように取り巻いたのだ。
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