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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない
死の苦痛と恐怖を二度も味わうほどなら、いっそのこと、ひと思いに死ねれば良かったのだ。その方が幸せだった。
視線を動かすと、その先には若い男がいた。目鼻立ちの整った美男子だ。雪鈴の三人の兄たちも秀麗な面立ちをしているが、兄たちは足下にも寄れないだろう。
今、雪鈴の手をしっかと握っているのは、あろうことか、その男だ。雪鈴は狼狽え、男の手から自分の手を引き抜こうとした。しかし、男の手は絡みついたように離れない。
視線を動かすと、その先には若い男がいた。目鼻立ちの整った美男子だ。雪鈴の三人の兄たちも秀麗な面立ちをしているが、兄たちは足下にも寄れないだろう。
今、雪鈴の手をしっかと握っているのは、あろうことか、その男だ。雪鈴は狼狽え、男の手から自分の手を引き抜こうとした。しかし、男の手は絡みついたように離れない。