この作品は18歳未満閲覧禁止です
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない
崖から身を投げた時、我が命運は尽きたものだと信じていた。義両親が雇った刺客に滅多殺しにされるよりは飛び降りて死んだ方がマシだと思ったのだ。
自分はどうやらまだ生きているらしい。あまりに予期せぬ展開に、思考がついてゆかない。バラバラになった思考をまとめるには、時間と冷静さが必要だった。
だが、この男が側にいる限り、難しいような気がする。この見知らぬ男は何故か雪鈴の心を落ち着かなくさせるようだ。