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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない
崖から飛び降り長い時間、谷川を流れていたなら、薄い紙がふやけてしまうのも致し方なかった。
雪鈴は躊躇いがちに訊いた。
「あなたさまが見つけて下さった時、私はどのような状態だったのでしょうか」
男は考えつつ、そのときの状況を教えてくれた。昨日の夕刻、雪鈴が谷間の河原に打ち上げられていたこと。状態からして、どこか別の場所で入水して、男が釣りをしていた場所までたまたま流されてきたのであろうこと。