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第37章 秋桜（コスモス）の夢

　男の身で女装して生きてゆく人生は、恐らく生きにくいことの方が多いだろう。ましてや、彼は女そのものになりたいのではなく、中身は心も考え方も男のままだ。いっそ彼が陰間茶屋にいる男娼のように、身も心も女になりきるというなら、楽だったのかも知れない。




　だからこそ、幸せになって欲しいとの願いを込めて作らせた特別な簪だ。賛は優しい眼で桂花を見た。