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第37章 秋桜（コスモス）の夢

桂花の大きな瞳には、冴え冴えと煌めく露の雫が宿っていた。



　ああ、愛する者を泣かせてしまったー。賛が自戒の念に囚われそうになった時、瞳を潤ませながら彼が言った。



「ー私は男ですよ」



　賛の眼にも熱い雫が湧いた。



ー神よ、どうせ出逢う運命(さだめ)なれば、何ゆえ、《彼》が女性ではなかったのですか？