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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第37章 秋桜(コスモス)の夢
賛は、努めて優しい声を出した。
「もし、そなたが私と同じ気持ちでいてくれるなら、私の心を受け取って貰えまいか」
永遠とも思える静寂の後、彼が眼を開いた。まるで、その季節に初めて開く花を見つめるかのような気持ちで、賛は彼を見守った。
「私も、邸下をずっと忘れられませんでした。三年前、我が父の屋敷でお逢いしてから、忘れよう、想ってはならない方なのだとどれだけ自分に言い聞かせても、無理だった。私のように常識の外で生きる人間には許されない想いだというのに」
「もし、そなたが私と同じ気持ちでいてくれるなら、私の心を受け取って貰えまいか」
永遠とも思える静寂の後、彼が眼を開いた。まるで、その季節に初めて開く花を見つめるかのような気持ちで、賛は彼を見守った。
「私も、邸下をずっと忘れられませんでした。三年前、我が父の屋敷でお逢いしてから、忘れよう、想ってはならない方なのだとどれだけ自分に言い聞かせても、無理だった。私のように常識の外で生きる人間には許されない想いだというのに」